» 2012 » 12月のブログ記事

今日は、融資して下さっている銀行に融資の最終実行のための説明を受けに行ってきました。

諸々の事務手続き、書類や記入の説明、新たに分かったちょっと嬉しい許されているお金の使い道や、説明の間2歳の息子が機嫌良くニコニコしながら静かに待っていてくれたという自慢はさておき、これまで色々とお世話下さった銀行の担当者が異動になることが、今日の話題です。
彼が異動を申しつけられたのは先週の水曜日、つまりつい一週間前のことなのですが、こちらの支店での勤務は今年いっぱい。来年は引き継ぎのために何度か来るだけなのだそうです。
「そんなに急に?なんだか心細いです。」と私が言いますと、「僕も心細いです。」と銀行マン。心無しか色白の顔がいつもよりいっそう白く、本当に心細そうです。ここまで頑張ったのに、ホールの完成を見届けられないのが、本当に悔しい、いや、残念です。と本音をお話し下さいました。
正直言って、銀行の方というのは私には未知の存在で、妙な言い方ですが、まさか自分が銀行マンから銀行で人間味溢れる本音を吐露されるとはまさに、想定外でした。やはり人は皆、人なのですね。当たり前ですが。
そんな姿を見てしまうと、我が家の担当者が途中で変わってしまう不安はさておき、彼が新しい環境に早く慣れて、平穏な日々を一日も早く取り戻せることを願わずにはいられません。
異動を告知されて二週間以内に異動するのが基本なのだとか…なんとハードな。心の準備をする時間も無く、突然住む場所も職場も変わらなければならず、大変なストレスだろうと思います。
せめて良いお正月を迎えられますように!

昨日、建設中の建物の外観が初めてあらわになりました。

生まれたての赤ちゃんが皆そうであるように、この建物もまだこの世の物になり切っていないような不思議に無防備なたたずまいです。何にも染まっていない無垢そのもの。力強いような、弱いような…
さてこの建物は、小さいですが、テナントも音楽ホールも入る、一応ビルです。そろそろビルの名前を考えなければなりません。
あたたかな、人の集う場所。沢山の楽しさや満足を提供出来る場所になれることを願って、さあ、どんな名前になるのでしょうか!

ピアノの運送業者さんが、現場の下見に来て下さいました。

実は当初、今回のピアノ購入計画では、私がユーロで支払った金額は日本の港まで。つまりそこからの荷捌き、検品、廃材(ピアノの梱包や巨大な木箱)の処理、港からホールまでの輸送、クレーンでの2階への搬入、ピアノの組立代金は私が支払うことになっていたはずでした。
なので一月ほど前、私はそれらを確実に行ってくれる業者さんを探して目星をつけ、手配寸前まで行っていたのですが、その段になって例のごとく突然、ガリーニ氏から親切なメールが入りました。
なんと、それら日本での作業も支払いも、もうイタリア側で済ませといたから、あなたは何も支払わないで下さい。という内容でした。
驚きと喜び、信じられない思いをしながらも、まずは業者さんの中で特に親切に色々とアドバイスを下さった奥泉運送さんに「本当はおたくにお願いしたかったのですが、親切にも先方が手配してくれたようなので、申し訳ありませんがお願いできなくなってしまいました。色々と教えて頂いたのに、聞くだけになってしまって本当にすみませんでした。」とお詫びの電話を入れました。まだ正式に仕事依頼をしたわけではなかったのですが、とても対応が親身でしたので、なんとなく。
奥泉運送(スタインウェイ ジャパン総代理店の専属の運搬会社さんです)の社長さんは、「いやいや、それは良かったですね。先生、わざわざありがとうございます。うちにはね、輸入通関の時に困ったら、業者から良く連絡入るんですよ。だから先生の楽器が何かトラブるようなことがあれば、ちゃんとアドバイスしておきます。船の到着予定日は伺ったし、スタインウェイのD274でしょ?覚えておきますからね。できる事は協力させて頂きますよ!」と、最後までご親切でした。それが1ヶ月ほど前のこと。
さて、イタリアのガリーニ氏の依頼で、日本でのピアノ取扱を代行してくれているは日通さんです。その日通の担当者の方と共に現場の下見に現れた柔和な表情の職人さんの背には、Steinway Japanのロゴが。
真剣に現場を下見される職人さんの後ろで、思わず私は日通の方に聞いてしまいました。「あの、こちら、もしかして奥泉運送さん?」するとまさにドンピシャ!結局自分が、是非依頼したいと思っていた所におさまったのです。これもご縁ですよね?
その後、あの親切な社長さんから携帯にご連絡頂き、電話での再会を果たしました。実はまだお会いしたことはありませんが。
でも、ご縁ですねぇ!
今は洋上に眠る貴婦人を、万全に迎える要素が一つまた一つと、揃いつつあります。

今日は現場で音響テストをして来ました。

床板選びから偶然、問題点に気付き、手遅れにならないうちに手を打たんと知恵を絞り、材料を色々と変えては独自に考案した模型でのテストを繰り返し
…やっと選んだ材料が発注の段になって在庫が全く無かったり…
しかし諦めずに再度、今度は設計室のメンバーが提案してくれた別の材料をいくつかテストした中から、入手出来なかった初期案の材料を凌駕する素材が見つかりました。その材料に合わせて、仕上げの床板も変更したりしました。
その材料 X をホールの全面に貼るにあたって、これも小さなモデルでの実験から、天井と壁、床とでは利用の仕方に変化をつける等、実験を繰り返しては最善と思われる方法を細かく選びました。
ただ所詮、それは小さなモデル実験での成功でしたので、正直100%の安心は得られず、内心不安でいっぱいでした。
しかしどんな不安にも結末はやって来る!
その実験結果が正しいかどうかを確かめる日がやって来てしまいました。軌道修正が必要なら、まだギリギリ工事的には余地がある時期ではあります。でも正直、私自身がこれより良い案がもはや浮かばない状態だったので、うまく行っておくれよ、ともはや半分神頼みでした。
夕方6時。職人さん達の頭が「しまいだよ!」と大工さん達に声をかけ、ホールが静まったところでテストを始めました。
作業の粉塵の残る曇った空間で調弦を始めた瞬間から、「おや?」と、寒さに強張る筋肉が柔らかくリラックスします。
深さと輝きを兼ね備えた音空間。小ホールの魅力である、肌にふれるような音の身近さと、音楽ホールに求めたい、余韻が香りながら消えるような、まろやかな残響。
あら⁉期待以上!期待以上!
高まる気持ちを抑え、冷静に色んな曲を試してみます。
細かなニュアンスが活かされるか。奏者を精神的に後押しする、音滑りの良さは本物か。原色、パステル、筆、ペン、どんなラインで音を出してもそれがクッキリと表現できるか。音を愛する人達に愛される空間になり得るのか…
最後に私は自分の楽器を肩から降ろし、「いいんじゃないですか?すごく。」と施工会社の社長さんと設計室の方々に頷きました。
「良かった〜‼」
皆さんの顔が明るく崩れます。「良かった。やっと安心して寝れる。」と胸を撫で下ろす人も。
いやぁ、本当に。良かったです。人生で一番、肩の荷がおりた日でした。
音は建築を更に進めれば、また変わるでしょう。しかし今日、目で進み具合を確認し、耳で音を確かめた限り、今日をベースにその変化は良い方に向かう変化だと思えました。
現場の皆さん、初めての工法、型破りな材料と注文に、不平一つ言わず、私の耳を信じて協力して下さって、本当にありがとうございました。
最後に…期待以上じゃない?と呟きながら、久しぶりに安らかに眠りたいと思います。

昨日は音楽ホールの客席用として選んだ内田洋行のスタッキン・チェアー60脚の代金を振込んできました。実際の客席数はもう少し多くなる予定ですが、まずは実際に並べてみたい(笑)というところと、1/14から1/17まで遠路はるばるイタリアからピアノのチェックと最終調整にやって来てくれるガリーニ氏のために、工事の進み具合が許せば「ありがとうコンサート」を開きたいとたくらんでいるので、そのための客席確保でもあります。

ガリーニさんにはスタインウェイのフルコンサート・グランドを探すこと、スタインウェイのハンブルグ工場でのリニューアル、日本までの輸送、はたまた日本での輸送から搬入、組立まで、何から何までお世話になりっぱなしです。感謝してもし切れません。

残念ながら工事は1ヶ月ほど遅れており、ミエザホールのオープンは3月まで持ち越されることになりましたが、出来る準備は着々と進めております。現場のコンサートは1/16の夜を希望していますが、実際のところ、まだどうなるかは分かりません。皆さんも一緒に実現を祈って下されば幸いです!

明日は、ミエザホールのみならず、ビル全体を設計管理してくれている、N設計室の面々と、音楽ホールの音響調整と、トイレ内部の材料などを決める打ち合わせです。

音に関する調整は、ここ三週間ほど私が心身共に大変な労力を費やしている課題です。様々な材料を試し、組み合わせを変え、模型的な実験では成果を出せた仕様ですが、実際の結果に関してはさらに工事を進めながら微調整を繰り返してゆく事になるかもしれません。

私達が作っている音楽ホールとは、楽器の一部のようなものなんだよ、という意識を現場や設計士さん達と共有して、出来ること全てを総動員しながら、小さくとも、音楽ホールという特殊で難しい空間、そして未知の世界の扉を開こうと、それぞれが努力しています。

ビルの心臓部完成に向けて、気の抜けない日々、そして多大なエネルギーを必要とする日々はしばらく続きそうです。

 

 

 

今日は、ミエザホールに寄贈していただく、松本英一郎氏の1987年の作品「風景」に合う額縁を選びにいってきました。豊かな実りを思わせるような美しい黄金色の空に、たなびく夕焼けの雲。地平線まで続く茶畑。茶畑と雲の間には消える瞬間が朗らかな、虹。

松本氏の他の作品には、消えゆく瞬間をとどめようという執念の様なものを感じていた私でしたが、この虹の風景は逆に、消える瞬間を惜しみながらも楽しむ感覚が潜むように感じられ、直感的に「あ!これは音楽のマインドだ。」と一目惚れしました。

絵の大きさはF100合。縦130cm、横160cmの大作です。しかし選んだ額はとてもシンプル。ブルーグレーの素朴なものです。絵そのものが空間と、音楽と人と、自由にその枠を飛び出して響きあってくれることを願ったからです。完璧さやエネルギー量で人を圧倒しようとはしない。そんな優しいスタンスも、私がこの作品に惹かれた点かもしれません。

今日の額選びには故松本氏の奥さまと、昔から松本氏のアシスタントをつとめられた方が付き添ってくださいました。お二人のお力添えが無ければ、当然このような経験が初めての私には選びきれなかったでしょう。また、その後のお茶では、ホールの困難な局面で多少凹んでいた私、お二人からたくさんの元気をいただきました。

音楽が導いてくれた素敵な出会いが、今や大きな支えとなって小さな音楽ホールの実現への追い風となってくれています。どうか、これから生まれるミエザホールで同じように音楽を通して素晴らしい人と人の出会いが育まれて行きますように!

ハッシーの気まぐれ日記から引越して来ました。いよいよミエザホールのホームページ、一部立ち上げです。と言っても当面はブログだけですが!

慣れない環境で書いて行きますので、最初はいろいろお見苦しいでしょうが、お許しください。現に今、普通に改行することすらままならない常態です。改行の度に一段空くことに、なんら意図はないのです。

さて、我らが音楽ホール、只今建設中なのですが、大勢の皆さんの応援と熱い想いに支えられ、沢山の恵みが有る一方で、未解決の問題やこれから行うべき難しいミッションも多々ありまして、管理人ハッシーの心配はシャレにならない位であります。先月2歳になった息子の存在が無ければ、とっくに心が折れていたのではないかと思う事もしばしば。そして現在は、最も難しい局面を迎えております。しかし管理人はこう建築や現場の皆さんと力を合わせてこの困難を乗り越えてみせます。

明日はホールに寄贈していただく事になっている横160cm、縦130cmのほどの美しい油絵(松本英一郎氏の抽象画)の額を選びに行ってまいります。アドバイザーとして、松本氏の奥様がお付き合いくださいます。