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君のおもい

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今日は午前中に生徒さん3人のレッスンをしたのですが、一人はJ.S.バッハの二つのヴァイオリンのための協奏曲の全曲を仕上げているところです。10代前半の彼は第一ヴァイオリン、私が第二ヴァイオリンを担当してのレッスンでした。
中学時代という難しい年代の真っただ中の少年。2歳の時からのお付き合いで、良いところも悪いところも知り尽くしているような彼ですが、そう簡単ではなく、人間はどんどん変化します。
自分の意志とは無関係に身も心も成長し、新しい自分に戸惑いながら、逃げてみたり向き合ったりして、戦っている少年。この年代の若者との言葉でのコミュニケーションは、時に適切なのかどうか迷いながら、手さぐりな雰囲気がどうしても出てきます。
しかし、こと音楽となると、なんて少年はまっすぐで豊かなんだろう!
感動を抑えない。素直。もっと良い演奏をしたいという、回遊魚さながらの勢いが、音からピチピチと溢れ出て、その音色は勇敢そのもの。アンサンブルの相手とより良い音楽を作り上げようという優しさ、思いやりから無意識のレベルで自在に変化する甘く透明感のある、しかし存在感と、人間としての重みのある音色。
いつも少年との合奏の後、そのまっすぐな気持ちを受け止められた、充分に伝えてもらったということに、誰へともなく感謝の念が湧いてきます。
それだけの熱い熱いおもいを、どうか音楽以外の君の生きる道でも、気付いて受け止める人が出てきますように。そして君がそれを素直に表に出せる日が一日も早く来ますように。私はそんな祈りを、音楽で彼に返します。