» 2014 » 3月のブログ記事

ミエザホールを含む、分倍河原駅前のこの建物と自宅は、N設計室の永田昌民さんの設計によるものです。
氏は住宅建築で一時代を築かれた巨匠の一人です。「和」の機能美を独特のモダンで一分の隙も無い美意識へといざない、それでいて素材や空間、色への愛着はとても温かい。そんな全てを、第三者の目で遠くから眺めているような、「主張しないことが主張。という強い意志」のような不思議な距離感と雰囲気の、絶妙な感覚に強く惹かれて設計をお願いしました。一人で訪ねて来られた初対面の永田さんに、自分のこんな印象をお伝えすると、なんだかとても嬉しそうに、頷いたり、はにかんだように微笑んだりなさっていました。
永田氏がお引き受け下さった時から、私としてミエザホールのコンセプトに、アートの競演というものがありました。まずはもちろん、音楽家たちの生きた音楽。そして永田氏の空間の美意識。さらに松本栄一郎氏の抽象画。音楽家たちが美しいものを美しい場所で生み出し、聴きに来られたお客さま達にはその渾然一体となったものを大いに楽しんでいただく。もちろん感性は人それぞれですから、視覚のアートは、目に入るも入らないも自由なのです。でもふと気がつけば美しいって、とても素晴らしいことだと思っています。
その永田昌民氏が昨年の12月14日に亡くなり、今年の1月末でN設計室を解散しました。というお便りが娘さんから届いたのは、2月のバルトークとイザイのコンサートの少し前でした。それからずいぶん、永田さんと彼が残した空間と美、そして病の進行にしたがって、初めてお会いした時から変化していった、彼の外(私たち)に見せるお人柄についても考えました。そういう訳で2月の演奏はずいぶん、永田さんの死に影響を受けずにはいられませんでした。
この頃、気が付いたことがあります。先ほど挙げたような外見的な建物の美しさはもちろんなのですが、何も言わず、永田さんが私にくれた、もっと大切で大きな贈り物があることに。
それは、お日さま。
早朝。冬はまだ日が昇る前から、東に大きく開いた窓の前で練習していると、だんだん空の色が美しく変化してゆきます。日に日に太陽の上る位置が横に移動してゆくのを目にして、古代の人たちが天文学を始めた理由、「時間」や「暦」を作り出したことの偉大さと面白さに思いを馳せながら練習したこともしばしば。
春になった今は、すでに少し明るくなっている空や雲の色が、太陽の絵筆によって、夢のように美しく変えられて行くさまを見ながら練習しています。ホールにある松本栄一郎氏の「風景」のような空や、たなびく雲を見ることもでき、一瞬としてとどまらず、消えゆく美しさをキャンバスにおさめようとした松本氏の感動を、自分も共有できたように思ったこともあります。
そして夕方の練習は西に大きくあいた窓のあるレッスン室で。もちろん素晴らしい夕焼けに照らされながら。
このお日さまは、これらの窓がこの位置に、この大きさで開いていなければ、決して得ることの出来なかった素晴らしい世界です。遠くを見て、日の出を見て、日の入りを見て、人間の原始からの、何か神聖な自然や天体との関わりを感じながら音楽を奏でていると、見ている世界は外から、次第に内なる世界へと移動していきます。最高の仕掛け。そして、とても優しい贈り物です。

永田さん、本当に、本当に、ありがとう。

次回4月6日のコンサート、「はじまりの、音楽2」のメールでのご案内文を全文掲載致します。ご興味をお持ち下さった方はぜひ、ミエザホールにご連絡ください!
ところで昨日、コアラ君の幼稚園の送り迎えに備えてアシスト自転車を購入しました(というか早目のホワイトデーとして買ってくれたという、旦那君太っ腹!)今日はその威力が楽しすぎてコアラ君を後ろに乗せ、1時間半ほど多摩川沿いから東京競馬場の周囲、府中駅周辺などの通ったことの無い道をぶんぶん走り回っていました。しかし風の冷たかったこと!!春よ、早くその本体を現しておくれ。

 

「コンサートのご案内」

皆さま、おはようございます。
陽射しは春めいた日々が続くようになりましたが、我家のクロッカスや水仙たちは芽吹きながらも、この寒さでなかなか勢い良く伸びるタイミングを見つけられず、様子をうかがっています。皆さまはお元気でお過ごしでしょうか?
新年度を迎えるにあたって、近頃は練習中にミュージシャンの先輩達から頂いた言葉が、毎日のように思い出されるようになりました。
今は亡きお二方、元ナターシャセブンの坂庭省吾さん、フォークの父と呼ばれた高田渡さん。何気なさを装った言葉でしたが、何年も私の心に響いていることを思うと、それらの言葉は思いやりを持って発せられただけでなく、私へのメッセージでありながら、彼らの音楽人生を凝縮したような言葉だったように思えて来ました。
その言葉が近頃、より一層心の中で響き始めたということは、私自身も「生き方」としての音楽を、模索し始めたのかもしれません。

前置きが長くなりましたが、4月の演目はまさに、作曲家たちの人生の中での、葛藤や叶わぬものへの憧れから、生きることの輝きを磨きぬき、真珠のようにつくられた作品たちです。
ミエザホールの一歳の誕生日を記念して、今回は、このホールで出会うことが出来たピアニストの伊藤理恵さんに共演して頂きます。一音一音が精神から零れ落ちることなく真摯に紡ぎ出され、強い意志と不安の狭間で揺れる心を描き切ろうとする、音楽への深い共感がとても魅力的な方です。
二人の出会いの音をぜひ、楽しみに聴きにいらしてください。お会い出来ることを心から願っております。
それでは皆さま、良い一日をお過ごしください!

橋口瑞恵

「はじまりの、音楽2」
~ミエザホール 1歳の誕生日コンサート~

2014年  4月6日 開場15:30  開演16:00

場所  ミエザホール http://www.mieza.jp

プログラム
・ベートーヴェン
「ヴァイオリンとピアノのためのソナタ 第5番」
“スプリング・ソナタ”   Op.24

・シューベルト
「ヴァイオリンとピアノのためのソナチネ 第2番 」 Op.137-2 D385

・ブラームス
「ヴァイオリンとピアノのためのソナタ 第3番 」 Op.108

前売   3500円
当日   4000円

チケットのご予約 042-366-6316(ミエザホール)
mieza@mieza.jp

 

昨日のコアラ君のダンスレッスンでのこと。他に受講する子供がいないという理由でこのクラスはいつも、生徒はコアラ君ほぼ一人、先生は二人という豪華な組み合わせなのですが、その先生達とコアラ君の会話。
「コアラ君、今日も元気ですか?」
「はい!」
「ご飯いっぱい食べて来た?」
「うん!」
「そうか。美味しかった?」
「うん!」
「ご飯何だったの?」
「もやし!」
母はずっこけそうになります。先生もシドロモドロになりながら「も、もやし?、、、他には何食べたの?」
「白いごはん!」
母はもはや笑うしかありません。
「そうか!他には?」
「おもち!」
更に先生は当惑。
「お汁に入れて食べたの。」と、コアラ君は補足説明。しかしこれでますます、食卓の怪しさが増しました。
先生はチラッと私の方を見ながら、なんとかフォローします。「そうか、それ美味しそうだなぁ。先生も今度食べに行っていい?」
「いいよ。おいで!」とコアラ君「え!いいの?」と更にビックリする先生。子供の会話、恐るべしです。
ちなみに昨日のレッスン前の昼食は、よく叩いて粉をはたき、カリカリに焼いたポークソテー。付け合せが蒸しナス、トマト、もやし、そしてご飯。コアラ君はこれを完食したのですが、このチビっ子にかかると「お昼ご飯はもやしと白いごはん」となるわけです。更に「お汁に入れたおもち」とは、前の日にうどんのお汁を作りすぎたので、朝ご飯をたまたま、お雑煮もどきにしたことを言っています。
もちろん先生にはこんなことは伝わりませんが、これから先々、子供が自分でいろんな人とお話をするのを、いちいち訂正してまわるわけにはいかないので、そのままにしておくことにしました。
ところで早いもので、もう3月になりましたね。4月からコアラ君が幼稚園に通う、新しい生活が始まります。それにむけて、アートマンで蛍光ペンを何本か買ってきました。水色を音楽ホールのお客さまのご利用。緑色を生徒さんのレッスン。ピンクをコアラ君の習い事などの予定。オレンジ色を自分のリハーサルやホールのご見学。黄色をファミリーサポート事業でお子さんをお預かりする日。という風に手帳の中身を色分けすることにしました。予定の種類が色々なので、少しでも整理出来たらな。と思いました。少しは見渡しやすくはなりました。またまた生活に変化が訪れます。楽しみにしたいと思います!