» 2014 » 7月のブログ記事

子供の感性というのは本当に面白いもので、今朝、ピアノで「ほたる来い」を弾いていたコアラ君、「あっちの水は苦いぞ」の所では苦い音、「こっちの水は甘いぞ」の所では甘い音を出そうと、お腹の底から指先に、最大限の集中力で音を伝え、本当に苦い音と甘い音を弾き分けておりました。こういう感覚にはやはり、音楽を生業とするものは感動させられます。人間にとって音楽とは何か、人間にはなぜ音楽が必要なのかを、ライブで見せてもらえるのですから。
そんなコアラ君。先日、お風呂上がりに一緒に着替えをしていますと、私に上着を渡してくれました。「お!コアラ君、ありがとう。」と言うと、「いいよ。だって僕ね、お母ちゃんのこと、だいじにだいじに、そだててるんだ!」と澄まし顔でパンツをはいておりました。思いがけない言葉に母ちゃんは爆笑!「いやぁ、ホントにその通りだよ。あなた正しい。お母ちゃん、育ててもらってるよ。」と言うと、当たり前じゃん!という顔でうなづいていました。一体どこから、子供たちの考えは降ってくるのでしょう。
ところで昨日は「時の終わり」のためのリハーサルでした。途中で昼食をとったとは言え、10時半から6時過ぎまでみっちりでした。
疲労のあまり、10歳老け込んだ感じです(笑)。今日は抜け殻状態で、お弁当持ちで午前中からコアラ君を府中の森の水遊び広場に連れて行って帰宅後、珍しくゆっくり過ごしています。

を、公演ラインナップの方で画像公開致しました。ぜひご覧ください!

皆さま、蒸し暑く不安定な空模様が続く厳しい夏ですが、いかがお過ごしですか?私は今週末からの息子の夏休みスタートに向け、この夏、彼としたいことリストを頭の中で作りながら、いつものように子育てと練習に励んでおります。
おかげさまでホールの方は、このところ少しづつ、口コミの効果を感じられるようになって来たところで、子供に手がかからなくなって行くこととホールの成長が、うまく連動して行きそうな様子です。
さて今回のコンサートのご案内ですが、昨年結成したMIZトリオ(水月Pf、横溝Vc、瑞恵Vl、3人のMIZ)とクラリネットの後閑由二さんをお迎えしての、私として初めての四重奏です。ミエザホールにご来場くださった方には簡単にご想像がつくこととは思いますが、この音響の中での四重奏は、オーケストラを凌ぐほどの迫力に、ソロを凌ぐメッセージ性を実現出来るものです。4人それぞれの豊かな音色、繊細な表現、そしてダイナミックな一体感を、ぜひともお楽しみ下さい。
8月と言えば、私は広島・長崎の原爆投下と終戦、そしてお盆が常に連動して思い出されるのですが、今回のメシアン作曲「時の終わりのための四重奏曲」は第二次世界大戦中にフランス人のオリビエ・メシアンがドイツの捕虜収容所内で作曲し、捕虜となっていた音楽家4人が収容所内で初演した作品です。戦争という人類最大の悲劇と愚行の只中で、籠の鳥となった音楽家たちが、それでも人間としての精神と活力を失うまいと、死力を尽くして戦ったであろう美と斬新さ、絶望をかなぐり捨てるような激しさ、感情を超越した優しさに、当時の収容所の捕虜たちは衝撃を受け、心が満ち、演奏する音楽家達の姿が、ボロをまとった4人の勇敢な解放者のように見えたのではないかと想像します。
他方、バルトークのコントラスツは、バルトークがアメリカに移住する1年半ほど前の、もっとも穏やかで充実した日々を過ごせたブダペストで、不穏な戦争の足音を肌で感じ取りながら作曲されたものです。作曲を依頼したベニー・グッドマンはスウィング・ジャズの代表的存在ですが、他ジャンルとの結合という以上の、バルトーク独特の世界観が広がっています。
こうしてあらためて時代背景を書きますと、その時代の痛みに目が行ってしまいそうですが、音楽の抽象性をもって、それだけではない希望や喜び、恍惚の表現さえも溢れており、人間の精神活動の底力と複雑さに舌を巻かずにはいられない作品たちです。演奏される機会も決して多くは無い作品ですので、ぜひこの機会に間近で聴いて、音を肌で感じて頂きたいです。大勢の皆さまのご来場を、心からお待ちしております!

ミエザホール 橋口瑞恵

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「時の終わりへ」
~歴史、時の連鎖から解き放たれんとする、音楽家たちの挑戦。
MIZトリオ with 後閑由二
Cl.後閑由二
Vl.橋口瑞恵
Vc.横溝宏幸
Pf.水月恵美子
開場 14:30
開演 15:00
前売券 ¥4,000円
当日券 ¥4,500円

★プログラム★

ベーラ・バルトーク作曲「コントラスツ」
1、ヴェルブンコシュ(徴兵の踊り)
2、ピヘネー(休息)
3、シェベシュ(速い踊り)

オリビエ・メシアン作曲「時の終わりのための四重奏曲」
1、水晶の典礼
2、時の終わりを告げる天使のためのヴォカリーズ
3、鳥たちの深淵
4、間奏曲
5、イエスの永遠性への賛歌
6、7つのトランペットのための狂乱の踊り
7、時の終わりを告げる天使のための虹の混乱
8、イエスの不滅性への賛歌

チケットのお申込み ミエザホール 043-366-6316(橋口)