» 2015 » 8月のブログ記事

皆さま、こんにちは。梅雨が明け、早いものでもう7月も終わりになりますね。熱中症にもならず、お元気でお過ごしでしょうか?

私は、誰に似たのか異常に体力のある我が子の夏休みに付き合って、ほぼ毎日、屋外のプールで泳いでいます。
昨年は泳ぎ過ぎて夏休みが終わっても2ヶ月ほど腰を痛めていたので、今年はそうならないよう気をつけたいと思いますが、既に顔の色は節度ある大人の域を超えて日焼けをし、毎回髪を乾かすのが面倒なので、似合わないこと承知で色黒ショートになろうかと真剣に妄想したりしています(笑)。

さて肝心の音楽ですが、まるでピアソラの年であるかのように、今年はピアソラのオーダーが多く、何度も演奏して来ました。先日は西新宿にある白龍館というチャイニーズフードのお店で、菊池美奈子さんという作曲家でアレンジャーの方のライブにゲスト出演してピアソラを演奏したのですが、その様子をお店の方が撮影してくれました。打合せ無しで、急遽の撮影だったからか、ほぼずっと後方からの動画ではありますが、よろしければぜひ、ご覧になってみてください。

https://m.youtube.com/watch?v=-dewoMmwGsQ

さて、今回のバッハの無伴奏の演奏会は今年の頭から予定していたものですが、ピアソラが投げたブーメランがバッハに戻って来るのに随分時間を要して、すっかりご案内が遅くなってしまいました。
バッハの無伴奏ソナタとパルティータは私のライフワークと20年以上前から決めており、今後も、年々の変化をその都度、公開演奏を通して身体に刻みながら、熟成と変化を続けて行きたいと思っています。
前回の無伴奏の演奏では、バッハの作曲当時の状況や心情を表現することで演奏をまとめ上げて行きましたが、今回はひたすら、和声進行やリズム、展開や構造に重点を置き、そこから浮かび上がる、空の星々を線で結ぶようなバッハの地図を楽しみながら、楽曲を仕上げて来ました。前回とはまるで異なる解釈ですので、自分でも演奏が楽しみです。
ご来場下さり、バッハの不思議な宇宙に、私と共に身を投じて頂ければ幸いです。ご来場くださる方は、どうぞご連絡ください!

それでは皆さま、これからまだまだ暑さが続きます。くれぐれも体調を崩されませんよう、お気をつけて夏をお楽しみください。


橋口瑞恵

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「J.S.バッハ、無伴奏ヴァイオリンのための、3つのソナタ」
〜天空の地図に心を重ねて〜

Vl. 橋口瑞恵

8月23日(日) 15:30開場 16:00開演
前売 3500円 当日 4000円

プログラム
無伴奏ヴァイオリンのためのソナタ
第1番
・Adagio
・Fuga (Allegro)
・Siciliana
・Presto

第2番
・Grave
・Fuga
・Andante
・Allegro

第3番
・Adagio
・Fuga
・Largo
・Allegro assai


Information
10/18(日) 16:00 開演 バッハと3つのパルティータ 橋口瑞恵 無伴奏ヴァイオリン

12/12(土) 橋口瑞恵 水月恵美子 デュオ コンサート

友達が10年ぶりにメガホンを取った監督作品を今日、新宿のK’sシネマで観てきました。
一言でまとめることなどとても出来ない、素晴らしい作品でした。登場人物のそれぞれは、ある意味でどん底ーー少なくとも世に言う勝ち組ではないーーにいるか、過去にどん底を舐めた経験のある人たちです。主人公ですらこれといったキャラクターが立っているわけではないのに、人と人の会話や関係、眼差しを通して一人一人が実にイキイキと描かれてゆき、見る者は間も無く、平凡なはずの登場人物たちの虜になってゆきます。
そして、独特の美意識に貫かれた映像という枠の中で、わがままでありながら、同時に相手をも深く優しさで包み込める人間という存在の相対性を、絶妙のさじ加減で、実に丁寧かつユーモラスに表現してゆきます。
この映画の中では、全ての関係性は相手から期待を裏切られます。しかし誰一人としてその関係性の優位に立ち、相手を屈伏させようとしません。そして微妙だったり、しぶしぶだったり、トホホだったり、満面のだったり、いろんな種類があるのだけど、とにかく笑顔。そこがまた、とっても良い意味で日本的だとも感じました。
お盆の弟というタイトル、渋いチラシとは裏腹に、とっても心あたたまる、ついクスクス笑ってしまう、優しくて楽しい不運と、真剣な葛藤と、ユーモアに溢れた作品でした。監督の前作「キャッチボール屋」が、「俺たちこれでいい…?」という問いかけだとすれば、今回の「お盆の弟」は、堂々と胸を張って「俺たちこれでいい!」と言っているようで、私は監督本人の熟成度合いに、圧倒されるような感動をおぼえました。
ところで実は今日、4歳のコアラ君と映画館ではもちろん、初めて映画を全鑑賞できました。劇場版妖怪ウォッチもベイマックスも、怖くて20分と見られず、「映画大嫌い」と豪語する彼を映画館に連れて行くことは大変な賭けでしたが、母ちゃん見事賭けに勝利!息子は退屈することなく、ジョークの一つ一つ(映像、言葉、音楽すべて)にしっかり笑いながら、高い集中力を発揮して、このオトナなどん底でオシャレで楽しい映画を楽しみました。
映画館に入る前、監督にLINEで「K’sシネマNOW。4歳児と映画、初挑戦です。楽しみますね〜‼︎」と送っておくと、映画館を出た直後に監督本人からまさかの電話!
「5分で行くから待ってて」と。久々の再会を果たし、なんというか大喜びし、小一時間お茶をして別れました。私は鑑賞直後、映画の余韻が心地良かったので、すぐには感想を話せませんでしたが、コアラ君は必死に彼なりの絶賛。そして帰り際、監督のホッペにチュウをして、足りない言葉分の気持ちを伝えていました。
モノクロのダメワールドにハマり過ぎたせいか、監督と別れて歩き始めた新宿の街が色褪せてみえたことも、面白かった(笑)。人間の魂はアーティフィシャルでは輝かない。みっともなかろうが、何だろうが、ナマに生きよう!そんなメッセージも有るのかもしれませんね。

皆さん、ぜひぜひ「お盆の弟」を見に行ってください。ほんわか余韻に包まれて、コアラ君のように誰かに優しくしたくなるはずです。