寒暖の差が大きい今日この頃ですが、皆さま、お元気でお過ごしでしょうか?
毎年の事ではありますが、屋上のクロッカスが咲きはじめると、一気に春への期待感が膨らむ橋口です。
私の近況ですが、昨年暮にミエザホールの音響設備の導入でお世話になった友人が亡くなりました。音楽をこよなく愛する人で、初めて私の演奏を聴いて以来、熱烈な支持者でいて下さいました。敬虔なクリスチャンでもありましたので、イタリアで私が頂いたネウマ譜(グレゴリオ聖歌の1ページ)を、
「ハッシー、色々調べたんだけど、こんな歴史的にも貴重な物を、剥き出しで丸めて置いといちゃいけないよ。いたんじゃうから。僕に任せてくれない?」と、今の形に額装してくれ、それはホールのホワイエに飾られています。また、これもずいぶん昔になりますが、
「ハッシー、君も打合せや何かで使うと思う。君は人から芸術家らしく見られる格好とか全然しない。服装も髪型も、悪いけど無頓着でしょ。でも、そういうところで人を判断する人もいっぱいいるからね、せめて持っているペンが、オッ⁉︎この人は⁉︎ていうものだと良いかな。と思って。プレゼントさせて。」という面白い理由でカランダーシュの銀製のシャープペンシルをくださったり。
思い立ったら突然、車で四国まで遊びに行って、ついでに私の両親の家にヒョッコリ現れたりするような、飄々とした生き方をした、ちょっと変わった人でした。ほとんど演奏会でしかお会いしない友達だったのに、彼の死以来、心にポッカリ穴が開いたようでした。自分自身の残された時間と、その中で自分はどう生きたいのか、どんな音楽を目指したいのか、進むべき道を考えながらの、今回のコンサートへの準備期間でした。そしてそれなりにですが、何かが見えてきたと思います。
不思議なことに、その友人が亡くなる半年前から彼のことを頻繁に思い出すようになり、亡くなる直前の一週間は1日に何度も彼の顔が頭に浮かび、気にしていたのでした。だったら電話すれば良かった。と、はじめは悔やんでばかりでしたが、何かしらのメッセージだったとしたら、こうしてその意味を考えながら歩んでみよう。と、彼から贈られたシャープペンシルを形見に、自分の道を再び歩き始めた次第です。

さて今回は、時代を牽引したヴァイオリ二ストやビオリスト達が作曲した、無伴奏のプログラムです。と言うわけで、タイトルは「遊弦民」⁉︎
春の草花が、柔らかな土の中で蠢いて目覚める瞬間を、そのまま音にしてみたようなヒンデミット。
イザイがクライスラーに贈ったソナタの4番。クライスラーがイザイに贈ったレチタティーヴォとスケルツォ・カプリス。イザイとクライスラーは、互いに自分自身の困難の時に、友情をこめて相手に曲を贈りあいました。
そして、エルンストの編曲による「魔王」。この曲には私の個人的な、はちゃめちゃエピソードがありますが、そのお話は演奏会の時に!
後半はパガニーニの24のカプリスから10曲。パガニーニの曲には弾き手の生命エネルギーを放出や、湧出させるような力が有り、弾くたびに海を訪れた時のように元気を取り戻します。今回はパガニーニのそんな魅力を皆さんにお伝え出来るよう、頑張りたいと思っています。
多くのご予約メール、楽しみにお待ちしております!

では皆さま、どうぞお元気で。。。


橋口瑞恵


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遊弦民 〜四弦に人生を乗せた人々〜

2016年 3月19日 (土)

開場 18:00 開演 18:30
前売 3500円 当日 4000円

場所 ミエザホール


プログラム

ヒンデミット作曲
無伴奏ヴァイオリンソナタ Op. 31/2

イザイ作曲
無伴奏ヴァイオリンソナタ 第4番 Op. 27 No.4

クライスラー作曲
レチタティーヴォとスケルツォ・カプリス Op.6

エルンスト=シューベルト
魔王 Op.26

パガニーニ作曲
24のカプリスより、14番、20番、21番、6番、19番、1番、9番、13番、17番、24番

あけましておめでとうございます。
今年もどうぞよろしくお願いいたします!

橋口とミエザホール、遅い始動です。

2014年は家族が2度もアキレス腱を切るという災難に見舞われましたが、2015年には愛しの猫くんが、10月30日と12月30日に、2度も開腹手術を受けるという大災難に見舞われました。
奇跡の生還を果たし、今は退院して自宅療養中の猫くんですが、どんなに辛かったことでしょう…私も精神的に、かなりダメージを受けてしまいました。

そこで今年の初詣では、家族一丸となって、猫たちを含む家族全員が怪我と病気の無いよう、祈願してまいりました。
やっぱり健康が何より大切ですね‼︎

皆さまもこの一年、どうか大きな病気や怪我なく、元気にお過ごしになれますように!

健康祈願の他には、家族がそれぞれ今年の目標を立てたので、小さなダルマを三つ購入しました。片目を描き込み、今年の年末に目標を達成した暁には、もう片方の目を描き込む予定です。
目標と言ってもカッコいいものではなく、私は「おとうちゃんをほめる」等、息子は「海で泳げるようになる」等、パパも「おかあちゃんをたすける」等、ほのぼのとした、しかし本気の目標です。
達成なるか⁉︎
皆さんも今年の目標、何か立てられましたか?

ではでは、息子が去年4歳の時に撮った写真、まだ少しありますので、Facebookの方にまた少しずつアップしますね。ミエザホールのFacebookも、覗いてみて下さい。

先日、両親が一時帰国した際、地元の高知の家から持ってきてくれたものがあります。
靴の裏底も皮で出来た、アルゼンチン産のパンプス。デザインは今っぽくはないし、年季は入っているけど、いたみは無く、履きやすそうで好きなデザイン。
「履く?入るなら、、、」と母。
足を入れてみて、ちょうど良いくらい。歩いてみて、大丈夫。繰り返し足を入れられて少し変わったフォルムがまた、ピッタリ。さすが家族だわ。
「うん。ありがとう。じゃあもらう。」
私が高校生の頃、母がビシッと決めた時、馬の毛で緻密に編んだ真っ黒なハンドバッグとその靴を合わせていたような気がします。アルゼンチン産ということで、両親がアルゼンチンを訪れていた事も知っていたので、
「これ、長寿だね。アルゼンチンで買ったの?」と聞くと、母がブルブルブルと首を振り、
「違うのよ。これ愛子さんのなのよ。」
思わず絶句する私。愛子さんとは私の祖母。祖母の時代のもの?一体何年前?靴底まで革張りのアルゼンチン産のパンプス?しかも保存状態良好。なおかつ、その時代の人の足のサイズが現代人の私の足に馴染む???、、、何故だらけ。
「えぇ〜‼︎」
「凄!ていうか何でサイズピッタリ?」
一通り驚きが過ぎ去ると、しみじみと祖母のことを思いました。祖母は私が3、4歳の時、病気のため50歳の若さで亡くなりました。私は当時グァテマラに住んでおり、一時帰国して祖母の危篤の枕元に立ち、葬儀に立ち合ったと記憶しています。それ以前は九州と四国で離れて暮らしていたため、祖母の記憶は多くはありません。写真に見る祖母は大変美しい、気の強そうな女性です。
しかし靴の中に残っているのは、祖母、愛子さんの何か生身の姿をかたどったもの。私たちは血のつながりがあり、同じ構成内容を持っている。これ以上ない圧倒的な語りかけです。
「私はあんまり履かなかったけど、これだけはずっと捨てられなくて。。」
と母。
私はホールの貸出で管理人として働く際は、この愛子さんの靴を履くことにしました。今日はホールを発表会で使うお客さまがいらっしゃいます。今朝、靴箱から祖母のパンプスを出した際、やはり祖母のことを考えずにはいられず、思わずブログにアップした次第です。

こんにちは!寒暖の差の激しい日々が続きますが、皆さまいかがお過ごしでしょうか?
気がつけば、今年最後のミエザホールでのコンサートを迎えようとしています。あっという間だったなぁ。と感じる反面、夏の出来事が今年の事とは思えないほど遠く感じたりと、今年は今までに無い体験を沢山して、体内時計がビックリする程、盛り沢山な年でした。
また、23日の勤労感謝の日には息子とこれも初体験の、味の素スタジアムでの「親子マラソン」にエントリーしています。高校生の時に師事したヴァイオリンの先生に「演奏家はね、1に体力2に体力、3、4が無くて5に体力なんだよ。」と言われましたが、母ちゃん稼業と合わせ、その言葉を実感する日々です。

さて、今年最後のライブでは、水月さんとスペインの民謡を題材としたファリャや、生き生きとした村の祭を連想させるサラサーテや、チャイコフスキーを演奏します。
ファリャの今回の作品のベースとなっている民謡の歌詞たるや、実に意味深かつ、思わず唸らせられるような見事な愛憎&したたかさの描写で、先日のリハーサルでは女性を代表して、水月さんと二人で、つれない優男の去り際の歌詞にツッコミを入れまくっておきました。
チャイコフスキーはチャイコフスキーで、美しくも身勝手な悩みが迸る「瞑想曲」をはじめとした、「懐かしい土地の想い出」と、この小品集を雛形として作られたヴァイオリン協奏曲を、どこかプライベートな感傷を含んだムードで演奏したいというのが、今回の企てです。
人間の心のドロドロや、やらかし体験を、美しい音の世界に閉じ込めた魔術師達の作品を、ぜひ、楽しみに聴きにいらして下さい!


橋口瑞恵


「 酸いも甘いも歌いわけて!」

Vl. 橋口瑞恵 Pf. 水月恵美子

12月12日(土)
開場 15:30 開演 16:00
前売 3,500円 当日 4,000円

ご予約
042-366-6316 (ミエザホール)
mieza@mieza.jp. (ミエザホール)

Program

マニュエル・デ・ファリャ作曲
「7つのスペイン民謡」より
・ムーア人の服地
・ナナ (子守唄)
・カンスィオン (歌曲)
・ポロ
・アストリアの唄
・ホタ

サラサーテ作曲
・ホタ ナバラ Op.22 No.2

チャイコフスキー作曲
「懐かしい土地の想い出」Op.42より
・瞑想曲
・スケルツォ
・メロディ

チャイコフスキー作曲
ヴァイオリン協奏曲 ニ長調 Op.35
第1、第2、第3楽章

皆さま、おはようございます!

過ごしやすい気候を迎えましたものの、頻繁な雨や、各地には極端な気象の爪痕が残っております今日このごろ、皆さまはお元気でお過ごしでしょうか?
私は、心が海老のように元気に跳ね回っている息子のおかげで、「ホンロウ」と言いましょうか(笑)、常に何かしらに巻き込まれて慌ただしい毎日を送っています。
早いもので、彼も11月には5歳になります。そのことを考えただけで、子どもはワクワク、世界が光り輝いて見えるようです!素晴らしいことですよね!
一方、大人である私は、ともすれば日常に埋没しそうな中で、やはり一番の憩いやよりどころは、音楽のようです。子供の頃から、お腹が痛くても、心が痛くても、ヴァイオリンさえ手にすれば、ピタリと止まってしまう。それは今も変わりません。そして、まさにその特効薬とでも言うべきものが、J.S.バッハの無伴奏ヴァイオリンソナタとパルティータです。
その作品の一つを初めて公開演奏したのは、6年間休止していたヴァイオリンを再開した、17歳の時でした。それ以来、この作品たちは音楽生活だけでなく、私の人生の節目という節目を見守り、ピンチというピンチを乗り切らせてくれたものです。
昨年あたりから、なぜこの音楽にこれほどの力が備わっているのか、その成り立ち、構造、作曲の背景から、理解するようになって来ました。加えて、多くの学者や音楽家から示唆されているバッハの、抽象的な意味での数や数学との関わりを作品本体から、その暗号を読み解いても、その音楽的な均整美と、音によって人間の精神を活性化させた上で浄化し、前と上を向かせる(!)偉大な力の謎は奥深く、さらに長い年月をかけて、出来るところまで練り上げたいという想いは強まるばかりです。
17歳の、そしてその後の無軌道な人生の、どの地点での未熟な技量や解釈でも、いつでも異なる景色、表現するべきものを発見させてくれたJ.S.バッハの無伴奏ヴァイオリンのためのソナタとパルティータは、今後も満天の星空のように無限に広い音楽世界として、私を導いてくれることでしょう。

ところでバッハの無伴奏シリーズの演奏は昨年も、そしてこれまでも時々行いましたが、今年8月のソナタの回では、「今までの演奏スタイルや音色と全く違う!」という声と共に、大変ご好評頂きました。そのように実感して頂けるような変化を、私自身がこれからも噛みしめたく、ライフワークとして、今後は出来る限り毎年の演奏を実現したいと思っています。
10月は8月のソナタ3曲に続き、パルティータ3曲を演奏いたします。バッハの毅然とした、それでいて弱さへの慈しみに満ちた音楽、そして彼が闇を苦しみ抜いた後に希望を見出した様が閉じ込められている、楽譜という宝の箱の蓋を、どうぞ、共に開きにいらしてください。ご来場を心からお待ちしております!

ご予約は、ミエザホール mieza@mieza.jp まで、どうぞ!

橋口瑞恵

皆さま、こんにちは。梅雨が明け、早いものでもう7月も終わりになりますね。熱中症にもならず、お元気でお過ごしでしょうか?

私は、誰に似たのか異常に体力のある我が子の夏休みに付き合って、ほぼ毎日、屋外のプールで泳いでいます。
昨年は泳ぎ過ぎて夏休みが終わっても2ヶ月ほど腰を痛めていたので、今年はそうならないよう気をつけたいと思いますが、既に顔の色は節度ある大人の域を超えて日焼けをし、毎回髪を乾かすのが面倒なので、似合わないこと承知で色黒ショートになろうかと真剣に妄想したりしています(笑)。

さて肝心の音楽ですが、まるでピアソラの年であるかのように、今年はピアソラのオーダーが多く、何度も演奏して来ました。先日は西新宿にある白龍館というチャイニーズフードのお店で、菊池美奈子さんという作曲家でアレンジャーの方のライブにゲスト出演してピアソラを演奏したのですが、その様子をお店の方が撮影してくれました。打合せ無しで、急遽の撮影だったからか、ほぼずっと後方からの動画ではありますが、よろしければぜひ、ご覧になってみてください。

https://m.youtube.com/watch?v=-dewoMmwGsQ

さて、今回のバッハの無伴奏の演奏会は今年の頭から予定していたものですが、ピアソラが投げたブーメランがバッハに戻って来るのに随分時間を要して、すっかりご案内が遅くなってしまいました。
バッハの無伴奏ソナタとパルティータは私のライフワークと20年以上前から決めており、今後も、年々の変化をその都度、公開演奏を通して身体に刻みながら、熟成と変化を続けて行きたいと思っています。
前回の無伴奏の演奏では、バッハの作曲当時の状況や心情を表現することで演奏をまとめ上げて行きましたが、今回はひたすら、和声進行やリズム、展開や構造に重点を置き、そこから浮かび上がる、空の星々を線で結ぶようなバッハの地図を楽しみながら、楽曲を仕上げて来ました。前回とはまるで異なる解釈ですので、自分でも演奏が楽しみです。
ご来場下さり、バッハの不思議な宇宙に、私と共に身を投じて頂ければ幸いです。ご来場くださる方は、どうぞご連絡ください!

それでは皆さま、これからまだまだ暑さが続きます。くれぐれも体調を崩されませんよう、お気をつけて夏をお楽しみください。


橋口瑞恵

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「J.S.バッハ、無伴奏ヴァイオリンのための、3つのソナタ」
〜天空の地図に心を重ねて〜

Vl. 橋口瑞恵

8月23日(日) 15:30開場 16:00開演
前売 3500円 当日 4000円

プログラム
無伴奏ヴァイオリンのためのソナタ
第1番
・Adagio
・Fuga (Allegro)
・Siciliana
・Presto

第2番
・Grave
・Fuga
・Andante
・Allegro

第3番
・Adagio
・Fuga
・Largo
・Allegro assai


Information
10/18(日) 16:00 開演 バッハと3つのパルティータ 橋口瑞恵 無伴奏ヴァイオリン

12/12(土) 橋口瑞恵 水月恵美子 デュオ コンサート

友達が10年ぶりにメガホンを取った監督作品を今日、新宿のK’sシネマで観てきました。
一言でまとめることなどとても出来ない、素晴らしい作品でした。登場人物のそれぞれは、ある意味でどん底ーー少なくとも世に言う勝ち組ではないーーにいるか、過去にどん底を舐めた経験のある人たちです。主人公ですらこれといったキャラクターが立っているわけではないのに、人と人の会話や関係、眼差しを通して一人一人が実にイキイキと描かれてゆき、見る者は間も無く、平凡なはずの登場人物たちの虜になってゆきます。
そして、独特の美意識に貫かれた映像という枠の中で、わがままでありながら、同時に相手をも深く優しさで包み込める人間という存在の相対性を、絶妙のさじ加減で、実に丁寧かつユーモラスに表現してゆきます。
この映画の中では、全ての関係性は相手から期待を裏切られます。しかし誰一人としてその関係性の優位に立ち、相手を屈伏させようとしません。そして微妙だったり、しぶしぶだったり、トホホだったり、満面のだったり、いろんな種類があるのだけど、とにかく笑顔。そこがまた、とっても良い意味で日本的だとも感じました。
お盆の弟というタイトル、渋いチラシとは裏腹に、とっても心あたたまる、ついクスクス笑ってしまう、優しくて楽しい不運と、真剣な葛藤と、ユーモアに溢れた作品でした。監督の前作「キャッチボール屋」が、「俺たちこれでいい…?」という問いかけだとすれば、今回の「お盆の弟」は、堂々と胸を張って「俺たちこれでいい!」と言っているようで、私は監督本人の熟成度合いに、圧倒されるような感動をおぼえました。
ところで実は今日、4歳のコアラ君と映画館ではもちろん、初めて映画を全鑑賞できました。劇場版妖怪ウォッチもベイマックスも、怖くて20分と見られず、「映画大嫌い」と豪語する彼を映画館に連れて行くことは大変な賭けでしたが、母ちゃん見事賭けに勝利!息子は退屈することなく、ジョークの一つ一つ(映像、言葉、音楽すべて)にしっかり笑いながら、高い集中力を発揮して、このオトナなどん底でオシャレで楽しい映画を楽しみました。
映画館に入る前、監督にLINEで「K’sシネマNOW。4歳児と映画、初挑戦です。楽しみますね〜‼︎」と送っておくと、映画館を出た直後に監督本人からまさかの電話!
「5分で行くから待ってて」と。久々の再会を果たし、なんというか大喜びし、小一時間お茶をして別れました。私は鑑賞直後、映画の余韻が心地良かったので、すぐには感想を話せませんでしたが、コアラ君は必死に彼なりの絶賛。そして帰り際、監督のホッペにチュウをして、足りない言葉分の気持ちを伝えていました。
モノクロのダメワールドにハマり過ぎたせいか、監督と別れて歩き始めた新宿の街が色褪せてみえたことも、面白かった(笑)。人間の魂はアーティフィシャルでは輝かない。みっともなかろうが、何だろうが、ナマに生きよう!そんなメッセージも有るのかもしれませんね。

皆さん、ぜひぜひ「お盆の弟」を見に行ってください。ほんわか余韻に包まれて、コアラ君のように誰かに優しくしたくなるはずです。

関東も先日、ついに梅雨入りしましたが、保存食作りを趣味とする私にとっては忙しい季節の到来を意味します。
まず、一階のエントランス横のオリーブの木を軽く剪定しました。教室の生徒さん達からプレゼントして頂いた、ミエザホールのシンボルツリーです。元気一杯で、年に3回は剪定しているオリーブです。今まで剪定した枝葉は捨てていましたが、図書館で借りてきたオリーブの本で、オリーブ茶なるものがあることを知り、今回はこれを作ってみることに。
コアラ君と、いつもホールに素敵なお花をいけてくれているお友達の三人で、剪定した枝から葉っぱをプチプチと茶摘みしました。葉っぱの中には、珍しくて見つけると幸せを呼び込むという、ハート形の葉っぱがワンサと出てきましたよ。なんだかラッキーな木みたいです。摘んだ葉っぱはざっとお湯で茹でた後、カラカラになるまで天日干し。飲むときは煮出してから、私は冷蔵庫で冷やしてから飲みました。コクがありながら、スッキリした喉ごし。なんだかとても体に良さそうな味だったので調べてみると、糖尿病予防や血圧を下げる効果、抗酸化作用やコラーゲンの生成を助けるはたらきなど、色々と効能があるようです。好きな味なので、しばらく飲んでみたいと思います。
続いては、ラッキョウの甘酢漬けと梅干。エクアドルに住む両親が、向こうでの生活の癒しの一つとして、いつも楽しみに持ち帰る定番食品なので、絶やすわけにはいきません。梅は毎年、南高梅を予約して買っていますが、ハッシー梅はなかなか、お友達からの評判が良く、こちらも毎年どんなに忙しくても、梅雨になると頑張る恒例行事です。梅に色をつける赤ジソも、漬けなくてはですね!梅干作りのキャリアは実に17年になりました。
そして他の保存食と連動して、この時期再開するのが、ぬか漬け。ぬか漬けはやはり、私は夏野菜のものが好きです。ちょっとやそっとではヘタれない、元気な我家のぬか床は、もう13年ものです。

屋上では雨が降る度に、新しいネジバナの花芽がピュッと元気に伸びてきます。4月に植えたプチトマトは、うちの生ゴミ処理機から出来た土で育っているのですが、それがよほど性に合ったのか、2株で200個は実をつけています。実は今日、初めての収穫をしました。その旨味と甘味の凄かったこと!それでいて皮がちっとも固くない。アメーラトマトの皮を薄くしたような濃厚な味わいで、本当に驚きました。まさか家でこんな美味しいトマトが出来るとは!あまりの美味しさに、トマトが大好きなコアラ君は踊り狂っていました。今後、取れ過ぎたときは、トマトの水煮を保蔵食として作ることにトライして行こうかな。と思っています。
一雨ごとにビュンビュン伸びる、植えてないのに出てきたキュウリも、葉っぱが20cm程と巨大で、こちらも楽しみです。梅雨の時期、野菜や植物たちは、ずいぶん賑やかに活動しています。

昨日は9月の発表会に先がけて、教室の生徒さんたちの暗譜発表会をホールで行い、皆さん全力で頑張ってくれました。そして、今月一番大きなイベントである親子はねやすめのチャリティ・ライブとその公開リハーサルも、とうとう間近に迫って来ました。
梅雨にするべき私の保存食のお仕事は終わったので、心おきなく演奏会に向けて、最後の準備を重ねていきます。親子はねやすめのチャリティ・ライブは14時の会、17時の会とも席が残り少なくなっています。ご来場くださる方で、ご予約がまだのお客さま、お早めのご連絡をお待ちしています!

昨日は朝7時過ぎに家を出て、逗葉三田会の主催による葉山福祉文化会館での、午前開催のミニコンサートで演奏してきました。
私としては、ピアソラの世界観を伝えることに全身全霊を傾けた演奏でしたが、思わぬ出会いや、新たなお仕事の展開を呼び込む出会いが待ち受けていた、素晴らしい演奏経験となりました。
また、終演後の懇親会(ビュッフェランチ)では多くの先輩方から演奏への率直で熱い感想をいただきました。一見してキリギリスで、コアラ君と共に一生懸命ビュッフェをあさる私のような者に、素直にご自分の心が動いたことをお話くださる、(失礼ながら)ご年配の先輩方を、なんとピュアで心が柔らかく、お優しい方たちだろうと、内心驚きとありがたさで一杯でした。
その中で、私たちのピアソラの演奏に涙ぐんで下さった方達がいらしたというお話があり、あんまり嬉しくなってしまったので、そのまま帰宅する気にもなれず、懇親会の後は家族で葉山の磯に寄って、海の中の岩をピョンピョン飛び移り、ヴァイオリンのケースを背負ったまま小さな巻貝をせっせと採取。後で味噌汁の実にして食べたほどです。

話は変わりますが、最近私は趣味が出来ました。屋上の芝に生えてくる雑草を毎日むしっているうちに、その中にどうやら自分が抜きたくない可愛らしい連中が混じっていることに気がついたことが発端でした。
あえてガーデニングといいます。鳥や風が運んできた雑草の種の中に、けっこう可愛い花を咲かせるものがあるのです。名前のわからない花を辞典で調べ、その名前が分かるだけで味わえる不思議な満足感が病みつきになってしまいました。まだ名前を知らない草に蕾が現れると、開くまでワクワクして、朝5時に目を覚ました直後に屋上に飛び出して、咲いたかどうか様子を見に行きます。
これまでで一番大切にしているのは、松葉海蘭とネジバナ。駅前の緑の無さにウンザリしていた鳥達は、私の庭を憩いの場にしてくれているようです。星の王子さまの星とちょうど同じくらいの大きさであろうと勝手に推測している、富士山の見えるこの小さな庭が、最近音楽室の次に長い時間を過ごす場所になっています。

話を昨日の演奏会に戻すと、昨夜は寝る前にコアラ君から「お母ちゃん、今日、いい演奏したね。」と、ねぎらいの言葉をいただきました。「ありがとう」そして少し考えた後に、「いつか、母ちゃんのこの音楽の心、あなたにあげるからね。」と言うと、コアラ君は少し笑いながら「それはもう、もらってるよ。」と答えます。「え!そうなの?」と吹き出すと、「あのねぇ、心の方はもうもらってるんだけどねぇ。僕はまだ、お母ちゃんの歌をもらってないんだよぉ。」と意味深なことを言ってストンと眠りました。
確かに。音楽を敬う心と歌。出処は別々だなぁ。と納得。内面観察の得意なチビさんのコトバ、勉強になります。


皆さまこんにちは。5月とは思えない暑さの中、お元気でお過ごしでしょうか?我家の屋上では咲き誇った薔薇がそろそろ盛りを越えようという頃です。楽しみなことにプチトマトは鈴生り、ジャガイモとブラックベリーも順調、そして植えていないのに出て来たサプライズ(たぶん)カボチャ(生ゴミ熱処理機からの生残り?)4株を、大切に育てています。さらに先日、2ヶ月ほど単身赴任をしていたパパが戻り、子供は大喜びで、我家には日常が戻って来たところです。
ヴァイオリンの方は、昨年11月から常用楽器を春雷に変えて以来感じていた、音程感覚と重音の取り方への微妙な違和感と対峙すべく、4月の演奏終了後からは、ひたすらスケールシステムとパガニーニのカプリス、バッハの無伴奏ソナタをじっくりさらう毎日で、これは少なくとも秋までは続け、その後は今後の日々の練習にこれらを自然に取り入れようというのが目標です。そして75歳まで、パガニーニのカプリスを弾いていたい!というのが、遠い野望です。
さてそれでは、ライブのご案内です。今回は昨年10月に好評を博した、熱い熱い、オール ピアソラ ライブの再演ですが、NPO法人「親子はねやすめ」によるチャリティ ライブで、6月21日に行います。

日本では高度に医療技術が進歩したおかげで、小児癌などの重い病気もご家族がご自宅で医療行為を行うことで、在宅で過ごすことが出来るようになったそうです。しかし一方でご家族の皆さまは、24時間態勢で愛するお子さんの、どんな緊急事態や突然の容態の変化にも対応する準備をしておかなくてはならず、日々の緊張とご負担の大きさは想像を絶するものだと思います。
緊張を緩められない日常の繰返しの中で、疲弊されてしまうご家庭が少なくはない。というお話をうかがいました。
親子はねやすめは、そんなご家族に、ご病気のお子さんと一緒に自然豊かな田舎に医療従事者の方々やボランティアスタッフの皆さんと小旅行をして頂き、ご病気のお子さんと共に楽しんで頂くのはもちろんですが、時にはボランティアの皆さんにお子さんを少しお任せし、いつもは一生懸命に我慢をしている兄弟たちとも思いっきり遊んで、笑って、家族皆で、また明日から頑張るための英気を養ってもらうという、活動をしています。

当日は頑張って(!)2回公演。前日は実際にケアの対象であるお子様達とご家族に、生の演奏を楽しんで頂く、公開リハーサル(一般入場はありません)を予定しています。そして今回はなんともありがたいことに、共演者の皆さんにもご賛同頂き、ミエザホールも全面協力ということで、ライブの収益は全て、親子はねやすめの活動に寄付されることになりました。

さて、今回のライブでも、ピアソラの魂を皆さまに直に注入するべく(笑)全力を尽くします。アルゼンチン人である彼の音楽の根底には常に、南米特有の様々なリズムスタイルが小気味好くはたらいています。しかし淡々と、非常に繊細に孤独や郷愁、愛を表現したり、決して全ての人に生き良い世界ではない現実の中で、あくまで凛として、人間の持つ複雑な感情をソフィスティケイトしながらも生々しさを決して殺さず、音楽へと昇華させています。
自分の心、つまりは人間の声に、どこまでも注意深く耳を傾け続けた、ピアソラの真摯な生き様が、どの曲の中にもしっかりと息づいています。
そんな彼の魂にドップリつかれたおかげでしょうか。昨年のオール・ピアソラ以来、私自身、演奏スタイルがずいぶん変わってきたと感じています。心の筋肉に入っていた無駄な力をずいぶん抜いてもらったような(笑)。
「音楽は自由のためにある。音楽をもっと人生の喜びにすればいい。つまらない考えで自分を縛ってはいないか?」彼の音楽はまるで楔のように、そんなメッセージを私達の心にグサリと突き刺します。前回ピアソラに見させてもらった世界を更に広げ、私たちは21日の演奏に臨むつもりです。どうぞ皆さまもピアソラの鮮やかな世界を楽しみに、ご来場ください。

6月21日に先立ち、6月6日には逗葉三田会主催のコンサートで4曲、ピアソラを演奏します。こちらは入場無料。以下に両コンサートの詳細をご案内します。皆さまのご来場を、心からお待ちしております!


橋口瑞恵
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オール・ピアソラで贈る
チャリティーLIVE
「はじめの一歩 見えない壁をのりこえて」

✴︎日時 6月21日 (日)
第1公演 開場 13:30 開演 14:00
第2公演 開場 16:30 開演 17:00


Vl.橋口瑞恵 Pf.萩生哲郎 Cajon 髙橋ゆたか

✴︎プログラム
・Zum ・De Carisimo ・Extasis
・Oblibion ・Fracanapa ・Iracundo
・Milonga en Re ・Adios Nonino


✴︎料金
ご予約 3000円 当日 3500円
(当日、受付でのお支払いとなります)

✴︎ご予約
E-mail: info@haneyasume.org お名前、電話番号、人数、鑑賞ご希望の公演をご送信ください。

電話予約
03-6693-5558 (NPO法人 親子はねやすめ)



✴︎場所 ミエザホール 042-366-6316 (ライブのご予約は、親子はねやすめにお電話ください)

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サタデー モーニングコンサート
in Hayama
モーツァルト×カルメン×ピアソラ

✴︎日時
6月6日(土)
開場 am 11:20
開演 11:30
終演 12:30

Fl. 片爪大輔(読売日本交響楽団) Pf. 萩生哲郎 Vl. 橋口瑞恵 Cajon 髙橋ゆたか

✴︎プログラム

片爪氏×萩生氏
・フォーレ作曲 シチリアーノ
・モーツァルト作曲 フルートと管弦楽のためのアンダンテ K.315
・ボルヌ作曲 カルメン幻想曲

橋口×萩生氏×髙橋氏
ピアソラ作曲
オブリビオン、天使のミロンガ、鮫、アディオス ノニノ

✴︎場所 葉山福祉文化会館 大ホール
(JR逗子駅・京急新逗子駅よりバス約10分「葉山小学校」下車、徒歩5分)
駐車場 38台有

✴︎入場無料

✴︎お問合せ info@zuyou-mitakai.net

✴︎主催 逗葉三田会